・九十九は自分の店のアピールのため、ネットでブログ更新中。
・阿畑は駄菓子を近くの店で買ってきて食べている。
阿畑「ブログで人気出そうなんて、ハッ、浅はかな」
九十九「時代はブロードバンドやで阿畑」
「なにを得意げに。ブロードバンドってそもそもなんやねん」
「電波や電気信号、光信号などの周波数の帯域幅が広いこと。また、それを利用した高速・大容量な通信回線や通信環境。対義語は「ナローバンド」(narrowband)。」
「お、お前どこのIT業界人?」
「いや、検索したら『IT用語辞典』にそう載ってた」
「オー、ブロードバンド!」
「ポカホンタスみたいに言うな ぜんぜんおもんないぞ」
しばらく更新に集中する九十九。「キャベツ太郎」をしゃむしゃむと食べる阿畑。
九十九「キャベツ太郎はええけど、そこらへんの机の裏で手ぇふくなよー」
阿畑「(ビクッ)そんなことあるますさかいな、冗談やあらしまへんで九十九はん」
「なんで京都弁やねん、宇野千代か」
「そのツッコミはよーわからん」
「俺もわからん」
「気持ちな」
「気持ちや」
「ひっひっひ」
「はっはっは。……よっしゃ、更新終わりッ!」
「見せてみぃ。店員紹介って、あのムキムキ中国人とヒラメちゃんしかおらんのに、よー載したな。まったく楽しそうに見えへんぞ」
「呉(クレ)ちゃんもヒラメもしっかり働いてくれるし、ええ子やで」
「まあ、たしかにええ子よなー2人とも」
「せやろ」
マウスを動かして検索サイトに戻る阿畑。インターネットのニュースをながめる。
「なあ」
「なんや、あ、お前ヒラメに『ヒラメちゃん』のこと教えんなよ。
有名なマンガの美少女ヒロインって教えてんねから」
「俺が二股したらどないする」
「ああ、That'sどうでもいい男のニュースか?」
「なんか悪意ある写真よな」
「マスコミなんて悪意しかあらへん」
「なにその極論?」
「批判する奴は常にカッコよく見えよる」
「んー、なんか、幼いころの辛い体験みたいなん出されたら、ちょっと可哀想なるよな」
「会ったことないからわからん」
「そらそうや」
九十九。調理場に入る。流しの下から何かを取り出す。長方形の滑らかな石に水をつける。
「で」
「なに」
「お前いま二股したら、とか言うたよな」
「おう」
「答えはなんやと思う」
「わ、わかったから……おもむろに包丁を研ぐな」
「はっはっは」
「わっはっは」








